泣きたい夜には…~Hitomi~



「OK!」


PHSを切り、慎吾にその旨を伝えると、


『わかった、早く行っといで!!!!』


気持ち良く送り出してくれた。


久しぶりの会話なのに、普通だったら舌打ちのひとつもしたくなると思うのに……


そんな慎吾の気持ちがありがたかった。


───それから数分後


「心拍再開!ヒトミ、グレイト!グッジョブ!!!!」


「That's amazing!」


スタッフから労いの言葉をかけられた。


『すげぇな、そっちでも浅倉マジックは健在なんだな』


感心の声を上げる慎吾に、


「ううん、私は何もしていないよ。その子の生命力があったからだと思う」


今までだって助けられない命もあった。


その子供達のためにも未来を担う小さな命をこれからも助けていくんだ。



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