泣きたい夜には…~Hitomi~
小野塚先生はドスの利いた声で喚き、散々嘆いた挙げ句、
「もういいわ、こうなったら開き直るしかないわ!」
開き直るって、何を今さらという感じだけれど。
「浅倉、覚悟しておきなさいよ!前期以上にしごいてあげるから!!!!」
え……
オネエの絶対零度な笑みに背筋が凍りつく。
あぁ、やっぱり私は生け贄なのね…。
研修医の諸君、私の屍を越えて立派なドクターになれよ……。
なんて、冗談はさておき、
「至らない点は多々ありますが、よろしくお願いします」
頭を下げると先生はやれやれと言った表情で私を見て、
「仕方がないわね、アンタみたいな面倒くさい女はアタシみたいな優秀なドクターが見るしかないんだから。よろしくお願いしてあげるわ」
オネエでわがままなところを除けば小野塚先生は尊敬すべき優秀な小児科医。
彼の下で多くのことを学び、吸収させてもらおう。
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