泣きたい夜には…~Hitomi~
「慎吾!?ねぇ、慎吾ってば!」
隣にいる慎吾に話しかける。
「すごいよ、ここの庭!花がいっぱい咲いているよ!!!!」
休日の朝、慎吾を連れ出して来たのは国道1号線沿いの住宅街。
「小児科病棟の師長さんが大磯でオープンガーデンやっていて1国沿いの住宅街は花がきれいに咲いているよ、って話していたから来てみたけど、本当に綺麗~!」
綺麗な花を見てハイテンションな私をやや引き気味でついてくる慎吾。
「この黄色い花綺麗だな。何て花だろう?」
慎吾はフェンスに絡まったつる状の花に触れようとしたが、急いでその腕を掴んだ。
「知ってる?それカロライナジャスミンっていうんだけど猛毒だよ!花も葉っぱも根っこも全部猛毒なんだから!」
そう、カロライナジャスミンは猛毒。
パソコンで検索すればすぐに出てくるくらいの猛毒。
慎吾は絶句し、手を止めた。
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