泣きたい夜には…~Hitomi~
「嫌いじゃないから、慎吾のためにご飯作ったり、ありさ先輩に嫉妬したりするんじゃないの!!!!」
何でここでキレるのよ?私は…。
伝えなきゃ!好きだって。
慎吾は大きく息を吐いて、
「お前って本当に素直じゃないのな?」
自分でも思う、面倒くさい女だって。
「えぇ、どうせ私は可愛くないですよ!」
勢いよく顔を上げると慎吾が私の頬に触れ、
「いや、可愛いと思うけど?」
その言葉に、頬が熱くなる。
私の顔、絶対真っ赤になってる。
「もう、嘘ばっかり!誰が信じると思ってるのよ!!!?」
本当につくづく面倒くさい女。
慎吾は私の頬を優しく撫でると、真剣な眼差しで言った。
「嘘じゃない。お前のこと嫌いだったらとっくにほっといてるよ」
「えっ……」
えぇぇっ!!!?
慎吾の顔がみるみるうちに赤く染まって、
「好きなんだから、しょうがねぇだろ?」
そう言うと、黙り込んでしまった。
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