泣きたい夜には…~Hitomi~



「ダメ、もう止まらない」


慎吾の熱を帯びた眼差しに、体の奥で生まれる甘い疼き。


体がベッドに沈められ、これから始まるふたりだけの時間に胸が高鳴る……


と、思った。


がっ!!!


♪~~♪


突然、スマホが鳴った。


しかも、私の……。


この着信音は、


「病院からだ」


今日はフリーなのに、電話がくるということは、かなり大変なことになっているということ。


私を見る慎吾にも緊張の色が見える。


通話をタッチして、


「はい、浅倉です」


『浅倉?アタシだけど』


電話の相手は小野塚先生。


緊迫した様子はなく、すこぶる上機嫌で、


「えぇーーーっ!!!?本当ですか?行きます行きます、すぐに行きます!!!」


ものすごい情報提供をしてくれた。



.

< 88 / 286 >

この作品をシェア

pagetop