泣きたい夜には…~Hitomi~



「もうね、本当にすごかったんだから!」


慎吾は半分寝ぼけながらも聞いてくれた(と思う)けれど、


「赤ちゃん、すっごい可愛かったの!私も欲しくなっちゃったぁ!!」


その言葉で、


「本当に?」


さっきまで寝ぼけていた慎吾の声がはっきりとしたものに変わった。


「うんっ!」


元気に頷くと、慎吾は私の腰に腕を回して、


「そんなに欲しけりゃ協力するぜ!」


えっ……


寝ぼけまなこだった慎吾の目が爛々と輝いている。


「……。」


どうやら眠っていたオオカミを起こしてしまったようだ……。


き、協力!?


それって……


「えっ…えぇぇーーーっ!!!!」


動揺する私に慎吾は笑って、


「嘘だよ。明日も仕事だろ?寝るぞ!」


ベッドに引きずり込まれ、


「おやすみ」


私の額にそっと唇を押し当て抱き寄せられる。


「おやすみ、慎吾」


慎吾の胸に顔を埋めた。


慎吾が好き、大好き!!!!


いつの間にか深い眠りに落ちていった。



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