NENMATSUラプソディ
「優菜の会社は?そろそろ正月休みでしょ?」
「あー、うちはね、結構ギリまで仕事するから、明日明後日行ってそれから5日まで休みかなあ」
年末にありがちな、年始の予定なんかぞつらつら話していれば、料理が厳かに運ばれてきた。まさに厳か!
厳かすぎて、口に入れてなんだかわからないくらいに厳か!
こういうことは場馴れした人に聞こうと、ホスト氏にいろいろ質問しながら食べる。この肉は何とか、このお刺身は塩振るといいとか。いわゆる創作料理なんだろうけど、和と洋がよいバランスで出てきてまさに口の中がパラダイスやー!って感じだ。
こんな表現力もないし品もない私なんかとこんなすごい料理食べて何が楽しいのかと思うけど、ホスト氏はさすが聞き上手なのか、私のこんな振舞いを目の当たりにして質問攻めしても、上品に料理を口に運びながら始終ニコニコしている。
だから、またしても前回と同じで1聞かれて10答える的な、面白くもない私の話をべらべら話す羽目になった。
まあそれにしても正解のデートってすごい。このホスト氏くらいのレベルになるとこういうデートなのか。これはいわゆる世の女性の憧れのデートというやつじゃないの?
見目麗しいイケメンと差しで、すごくおいしい料理をこれまたびっくりするほど素敵な夜景を眺めながら静かに会話を(私の場合、全然静かじゃないけど!)楽しむ。
なんか雑誌の背表紙の裏に載ってる広告みたいだわー。
世の女性の憧れっていうか、こういうの想像できる想像力がまたすごいけど!私なんか考えた事も無かったよ、こんなデート。
やがてデザートが供されて、これまたびっくりするようなおいしいコーヒーもやってきた。
まさに、満ち足りた。年末のバタバタも合コンのがっかりも、全部清算したような気持ちになった。素晴らしい年末だ。良い年を迎えられそう。
よっしゃ、これはやはりお金を出すべきタイミングだろう。こんなお店でこんな食事をするなんて、考えた事も無かったんだから。
と、全てのお料理が終わったらしいタイミングでお手洗いに立ち、さて支払いをと思っているのに、全然レジが見つからないんですけど!どうなってんのよ、この店!しかもあれほどナイスタイミングで個室にお店の人が登場するのに、今廊下に誰もいないんですが!!
こんなところで迷子になるわけにもいかず、すごすごと元来た道を戻り、部屋へ入る。
「大丈夫?もしかして迷った?」
いや、トイレ往復は大丈夫だったんすけどね。慣れないことをするべきじゃない。気取ってる場合じゃない。やっぱりここはストレートで行くほうがいい。スライダーは肩痛めるし。
「えーっと、実はお会計してこようかと思ったんだけど、お店の人が見当たらなくて」
「ええ?」
怪訝な顔をするので慌てる。お前ごときが支払えるのかよとか思われたら癪に障るし。
「こう見えても、貯金はしっかりしてるからね。一回の食事くらい大丈夫よ!」
「ああ、いや、そうじゃなくて、いいからそれは」
「でも、せっかく楽しませてもらったし。お店行くわけでもないのにあなたの売り上げにならないし」
そう言えば、麗しい顔にすっと眉がよる。え。何。何か機嫌を損ねること言ったかなあ。ああ、仕事の話嫌だったか!
「えっと、別に休みの日に仕事の話を持ち出そうと思ったわけでは!」
「じゃあ、もう一件付き合って」
「え?」
「近所に、すごくいい店があるんだよね」
すごくいいお店!このお店で味を占めた私はホイホイとついていくのであった。
「あー、うちはね、結構ギリまで仕事するから、明日明後日行ってそれから5日まで休みかなあ」
年末にありがちな、年始の予定なんかぞつらつら話していれば、料理が厳かに運ばれてきた。まさに厳か!
厳かすぎて、口に入れてなんだかわからないくらいに厳か!
こういうことは場馴れした人に聞こうと、ホスト氏にいろいろ質問しながら食べる。この肉は何とか、このお刺身は塩振るといいとか。いわゆる創作料理なんだろうけど、和と洋がよいバランスで出てきてまさに口の中がパラダイスやー!って感じだ。
こんな表現力もないし品もない私なんかとこんなすごい料理食べて何が楽しいのかと思うけど、ホスト氏はさすが聞き上手なのか、私のこんな振舞いを目の当たりにして質問攻めしても、上品に料理を口に運びながら始終ニコニコしている。
だから、またしても前回と同じで1聞かれて10答える的な、面白くもない私の話をべらべら話す羽目になった。
まあそれにしても正解のデートってすごい。このホスト氏くらいのレベルになるとこういうデートなのか。これはいわゆる世の女性の憧れのデートというやつじゃないの?
見目麗しいイケメンと差しで、すごくおいしい料理をこれまたびっくりするほど素敵な夜景を眺めながら静かに会話を(私の場合、全然静かじゃないけど!)楽しむ。
なんか雑誌の背表紙の裏に載ってる広告みたいだわー。
世の女性の憧れっていうか、こういうの想像できる想像力がまたすごいけど!私なんか考えた事も無かったよ、こんなデート。
やがてデザートが供されて、これまたびっくりするようなおいしいコーヒーもやってきた。
まさに、満ち足りた。年末のバタバタも合コンのがっかりも、全部清算したような気持ちになった。素晴らしい年末だ。良い年を迎えられそう。
よっしゃ、これはやはりお金を出すべきタイミングだろう。こんなお店でこんな食事をするなんて、考えた事も無かったんだから。
と、全てのお料理が終わったらしいタイミングでお手洗いに立ち、さて支払いをと思っているのに、全然レジが見つからないんですけど!どうなってんのよ、この店!しかもあれほどナイスタイミングで個室にお店の人が登場するのに、今廊下に誰もいないんですが!!
こんなところで迷子になるわけにもいかず、すごすごと元来た道を戻り、部屋へ入る。
「大丈夫?もしかして迷った?」
いや、トイレ往復は大丈夫だったんすけどね。慣れないことをするべきじゃない。気取ってる場合じゃない。やっぱりここはストレートで行くほうがいい。スライダーは肩痛めるし。
「えーっと、実はお会計してこようかと思ったんだけど、お店の人が見当たらなくて」
「ええ?」
怪訝な顔をするので慌てる。お前ごときが支払えるのかよとか思われたら癪に障るし。
「こう見えても、貯金はしっかりしてるからね。一回の食事くらい大丈夫よ!」
「ああ、いや、そうじゃなくて、いいからそれは」
「でも、せっかく楽しませてもらったし。お店行くわけでもないのにあなたの売り上げにならないし」
そう言えば、麗しい顔にすっと眉がよる。え。何。何か機嫌を損ねること言ったかなあ。ああ、仕事の話嫌だったか!
「えっと、別に休みの日に仕事の話を持ち出そうと思ったわけでは!」
「じゃあ、もう一件付き合って」
「え?」
「近所に、すごくいい店があるんだよね」
すごくいいお店!このお店で味を占めた私はホイホイとついていくのであった。