恋架け橋で約束を

三人で花火

 家に着くと、おばあさんに今日の出来事を二人で話し、お土産のたこ焼きを渡した。

「まぁ、ありがとねぇ。ご飯の準備はできてるから、いつでもいいよ」
「あの……浴衣、本当にありがとうございました」
「いえいえ、気にしなくていいのよ」
 おばあさんは笑顔で言ってくれた。
「それじゃ、ご飯を食べ終わったら、みんなで花火をしよう」
 孝宏君が言う。
「私は着替えてきますね」
 二人に「いってらっしゃい」と言ってもらい、私は自分の部屋を目指して、階段を上がっていった。



 楽しい夕食を終え、おばあさんもたこ焼きを食べ終わった。
 おばあさんと私がお皿洗いなど後片付けを済ませた後、私たち三人は庭へと続く縁側に出る。
 もちろん、花火をするためだ。
 夜の庭は闇に包まれている。
 私が花火を、孝宏君が水の入ったバケツを、それぞれ持ってきていた。



「この花火、孝宏君が射的で取ってくれたんですよ」
 しっかりおばあさんにも報告しておいた。
 孝宏君は照れくさそうだ。
「孝宏、やるじゃない!」
「そんなことより、早く花火をしようよ」
「うふふ、照れちゃってまぁ」
 おばあさんは面白そうに笑う。

 ねずみ花火や線香花火など、色んな花火があった。
「何だか、線香花火って儚くて、見てると切なくなりますね」
 私が言った。
「寂しがらなくても、孝宏とあたしがいるから大丈夫よ。ね、孝宏?」
「もちろん、ばあちゃんの言うとおり!」
 二人が元気付けようとしてくれているのが分かって、すごく嬉しくなる。
 私たちは三人でたっぷり花火を楽しんだのだった。
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