恋架け橋で約束を
その人は、私の片思い相手の車掌さんだった!
私にとっては目新しく感じられる私服姿で、星を見上げているみたいだ。
その表情はどこか憂いを帯びている。
車掌さん………孝宏君………?
ふと、私の視線に気づいたのか、その人はゆっくりとこちらを向いた。
すると……目を丸くして、驚いた様子に変わる。
そして、かすれた声で言った。
「佐那……ちゃん?」
「もしかして………孝宏君?」
私の声も震えていたと思う。
「ほ、ほんとに……ほんとに、佐那ちゃんなの?」
車掌さん……孝宏君……は、まだ信じられないようだった。
今まで考える時間があったので、孝宏君よりは事態を把握しているはずの私ですら、信じ切れているかどうか疑問だもの。
でも、信じなくちゃ。
そして、孝宏君にも信じてもらわないと!
私は、おもむろに右手をグーの形にすると、口に持っていった。
すっぽり口におさまる右の握り拳(こぶし)。
「ぷっ」
孝宏君はふきだした。
「あっ、ひど~い。笑わないでよ」
口ではそう言いつつ、私も笑ってしまう。
次の瞬間―――。
私にとっては目新しく感じられる私服姿で、星を見上げているみたいだ。
その表情はどこか憂いを帯びている。
車掌さん………孝宏君………?
ふと、私の視線に気づいたのか、その人はゆっくりとこちらを向いた。
すると……目を丸くして、驚いた様子に変わる。
そして、かすれた声で言った。
「佐那……ちゃん?」
「もしかして………孝宏君?」
私の声も震えていたと思う。
「ほ、ほんとに……ほんとに、佐那ちゃんなの?」
車掌さん……孝宏君……は、まだ信じられないようだった。
今まで考える時間があったので、孝宏君よりは事態を把握しているはずの私ですら、信じ切れているかどうか疑問だもの。
でも、信じなくちゃ。
そして、孝宏君にも信じてもらわないと!
私は、おもむろに右手をグーの形にすると、口に持っていった。
すっぽり口におさまる右の握り拳(こぶし)。
「ぷっ」
孝宏君はふきだした。
「あっ、ひど~い。笑わないでよ」
口ではそう言いつつ、私も笑ってしまう。
次の瞬間―――。