雨から雪
「遅い!私を待たせるのって本当ソラぐらいだからね!」
「悪かった」
本当は、全然待たせてないがコトミとの定番のやり取りだ。
「予約したお店イタリアンだけど良い?」
コトミが健気なとこは、俺が嫌だと答えたら怒りながらも、別の店を探してくれるとこだ。
「良いよ、大丈夫」
と、俺が答えるとコトミは満足したようで意気揚々と歩き始めた。
道中の話しのネタは、お客の話しや店の女の子の話し、それから流行りの音楽の話しこれも定番だが嫌いではない。
「ねえ、ソラ聞いてる?」
「ん?悪いなんの話しだっけ?」
一瞬、ボーっとしてたようだ。
「もう!だから昔、ソラの地元の話しに出てきた女の子の話し!」
「ん?誰の事?」
「あっ!あの店だ!」
どうやら、目的の店に着いたようだ。
中に入って席に着いてからは、コトミは店の雰囲気や料理の話しに夢中になりさっきの話しはすっかり忘れてしまったらしい。
書く言う俺も料理の旨さに忘れていた。
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