雨から雪
香り
そんな時、ガチャという音がして彼女が出てきた。
「シャワーと着替えありがとうね」
「そんなもんしかなくてゴメン」
そー言うと彼女は、あの満面の笑みで言った。
「ソラの暖かさが伝わるから嬉しいよ」
この笑顔、記憶はないのに胸が苦しくなる一体なんでなんだ。
「ソラ!今度は私がソラに恩返しするね?週末空いてるかな?」
週末は…予定なんてないのに携帯を見ながら予定をチェックする。
彼女は、そんな俺の見栄を見抜いたようでニヤニヤしている。
「ちょうど週末は、空いてるよ」
「じゃあ、12時に緑公園の時計のしたね」
緑公園…あっ!あそこか。
「わかった行くよ」
そー言うと彼女は、立ち上がりニコリと笑い部屋を後にしようとした。
俺も立ち上がり、まだ雨が降ってるからと止めようとしたが、彼女が玄関のドアを開けて見えたのは、視界一面に広がる青空だった。
彼女は、借りた服洗濯して返すねと言い立ち去った。
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