雨から雪
バイト先で店長にこっぴどく説教されたが後は、まぁいつも通りだ、酒とタバコと香水の匂いが混ざった空間。
嫌いじゃないが好きにもなれない。
ゴミ捨てをしてるとコトミがやってきた
まぁいわゆる元カノってやつだ。
「遅刻なんてらしくないじゃん?どーたの?」
「ん?まぁ色々あって」
俺が素っ気なく返事するとコトミは更にしつこく聞いてきた。
「ねぇ?ちゃんと答えなよ!店長に言っちゃうよ?あ・れ!」
出た、コトミの言うあれとは俺が店長の愛車を凹ました事だ、わざとじゃないがそれを知られたらさすがにヤバい。
「来る途中に女の子にあった、びしょ濡れで可哀想だからウチに連れてきた以上」
簡潔に伝えた。
「ふーん。で、その子は?」
「知らん。帰った」
コトミは、やたら人を詮索するのが好きらしい。
奥からコトミを呼ぶ声がしてコトミは奥に消えていった。
タバコに火を付け虚空を見ながら真白の事を思い出す。
すると、頬撫でる不快な風が懐かしいかおりを運んできた、それは…どこだろ場所は忘れたけど、どこか懐かしい場所に咲いてた花の…
そんな時、店長の無粋な声で現実に引き戻された。
「おら、バイト!仕事しねえなら給料やんねえぞ」
俺は、タバコを消して仕事に戻った。
< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop