今も君が聞こえる
自分は誕生日が、一学期に来る。
文化祭やイベントに向けて、役をもらってそれが主役で
練習に明け暮れて過ごしていて
やっと慣れてきた高校生活の中、少し、忙しさが出てきた時期で、私は祝ってもらえるだの、覚えてもらえているだの、そんなことは全く思ってなかったのだ。

その日は全然メールを返さなかった同級生が、こっそり後から部活に来て、またプレゼントを渡されて

仕込み期間も有って、打合せもしていたことを明かされる

私は、恋に気をとらわれてばかりで、こんな展開、予想もつかなかった

そして、反省したのだ。
なにも恋を叶えることだけがひつようなわけじゃない、と。思い直すことができた。

考えてみれば、彼氏と疎遠になりつつあるから目先を変えたとは思ったが何も、本質的には変われてなかったのだ。

寂しさに、違う何かを求めたが、それではダメなのだと、思い直した

思えばこの夏が、始まりだったのだろう
そして終わりでもあったのだ。

日差しは徐々に強さを孕み、夏が始まった

部活に明け暮れていると夏休みが始まり
そして

その夏に大好きだったはずの、初めての恋人を

私は亡くした

忘れたかったのかもしれない
忘れられるはずはない


そして日常、私のいきる場所は
高校の中、それだけになったのだ。
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