人気モデルに恋されました
_______「それじゃあ、収録はじめまーーーす!!」
「あ、ほら、始まるって〜玲〜」
「……ん、おっけ」
収録が始まる…。
ダルいけど仕事だし…やらないと。
俺は台本をバッグにしまい大輝さんに預け、陽奏と一緒に元より指定されていたひな壇の一番前の席へ。
「…じゃあ今日特別ゲストとして来てくれたReiくんの事務所でなんかあったらしいですね!」
番組収録中の最中司会者に突然こんなことを言われた。
いや、何かってなんも…
…………あ。
「そうですね〜最近僕の事務所でやったオーディションのグランプリが決まりました〜!」
「そうなんですか!?あれは確か応募総数凄かったって聞きましたけど…」
「ん〜…確か応募総数は5万を超えてましたね〜」
「えっ!?そんな集まってたの〜!?さすがReiくんが主演のドラマの相手役なだけあるね〜っ」
ーーーガヤガヤ
ああああ…陽奏何言ってんの…
ギャラリーうるさくなったじゃん…
「そうなんですか!?いやぁ僕はてっきりもっと違う役だと思ってたので驚きですよ!」
秘密だったのに…
おかげで周囲が「聞いてない。」と言いたげな顔をしていた。
まぁもともと言ってなかったのは、
後々発表をして、反響を集め、視聴率アップを図るため。
だから、オーディションの時の軽い説明は俺が主演のドラマでの共演としか書いてなかった。
まぁこの放送日より早めに調整して言えばいいだけだからまぁいいけど。
……でも、やられっぱなしは気にくわない。
「はははっそんなでもないですよ〜…あぁそう、今話題の人気アイドルグループ、Jack Heartに陽奏くん加入したとか聞きましけど?」
そう言うとちょっと眉間にシワを寄せた陽奏。
……ちなみに言い忘れてたけど陽奏は本名で芸能活動してる。
「おおっ!?そんなシークレット情報初めて聞きました!!そうなんですか陽奏くん!?」
「あはは…ほんとはJack Heartの武道館千秋楽LIVEにシークレットで発表しようと思ったんですけどね〜…皆さんそれまで内緒ですよ?」
と、こてんと首をかしげて口元に指でしーっとやる陽奏。
………俺だけ若干にらみながら言わなくても
いいだろ。
先にやったのそっちだし
「…はい!Reiくん、陽奏くんありがとうございました、では次のコーナー!……」
ーーーーーーーーーー
収録後……
「Reiさんお疲れ様でした〜!」
「お疲れ様です。今日はありがとうございました!」
そう笑顔で挨拶を済ませ楽屋に戻ろうとすると。
「れ〜い〜ちゃ〜あああんんんんっ!」
……陽奏の怒った感じの声が聞こえた。
聞いてない。帰ろう。