フェイント王子たち
「なんだよっ、ケチっ」
うるさい、うるさいっ。ブツブツ文句を言ってる大吾を残して先に店を出た。『どれだけ知ってるかじゃない』か…。ガキのクセに格好つけちゃって。大吾が出て来た。一応、お礼言っとこうかな。
「ご馳走様でした」
「どういたしまして」
「んじゃ帰ろうか」
「行かないんだ。『Noise』」
「今日は行かないって言ったでしょ」
アパートに向かって歩き出す。大吾も仕方なく付いて来た。