フェイント王子たち

「アリおばさぁ、どんな人が好きなの?」

不意に大吾が聞いてきた。

「そうねぇ。背が高くて細身で目がクールで頭脳明晰で、声が良くって優しくって」

「…」

「ってのを除けると〜、かまってくれる人かなぁ」

「かまってくれる人?」

「結局、末っ子だからかなぁ。姉ちゃん二人にいいようにコキ使われてたって記憶しかないけど、今にして思えばイロイロかまってもらってたんだよね」

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