フェイント王子たち
再会

大吾の『救世主』発言があってからも、何も変わらない日々が過ぎた。いや、変わった事といえば、会社の昼休み、

「それで、カレシがさぁ〜」

っていう、美沙のノロケを聞く事が増えた。

「ところで、有栖、最近『Noise』に行ってないでしょ?」

「うん、行ってない。大吾は行きたがってるけど、何となく行きそびれてる」

「昭次さん、有栖に会いたがってたよ」

「え?」

「実は、昨日カレシと行ったんだぁ」

< 442 / 643 >

この作品をシェア

pagetop