フェイント王子たち
「ふ〜ん、一泊二日ねぇ。行けるかなぁ、俺」
と、チケット見ながら川合。
「…は?川合は関係ないでしょっ」
「え?」
ん?今、昭次さんの小さな声が漏れ聞こえた気がした。
「だなぁ、俺には関係ないなぁ。よしっ、そろそろ帰るか。すみません、チェックで」
「あ、はい」
昭次さんは金額の確認にか一旦マスターの方に行く。
「今日は俺の奢りだから、君達は外で待ってなさい」
って、川合。
「ごちそうさまでした〜。ほら、アリおば、出よ出よ」
と、大吾に引っ張られて、私はマスターにも昭次さんにも挨拶しないまま店を出た。