フェイント王子たち
仕方なく、川合をタクシーに押し込んで、アパートに帰ってきた。奢って貰ったよりタクシー代の方が高くついた。気持ち悪るがる川合を大吾がなんとか付き添ってアパートの階段を上らせ、靴を脱がせて、団欒部屋に寝かせた。
「おやすみ」
「…」
「もう寝てる」
「よっぽど気持ち悪かったんだね」
大吾と顔を見合わせてから、団欒部屋を出て、台所の椅子に座る。
「疲れたね、コーヒーでもいれようか」
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