【完】キミと生きた証
「行きたいところは行けないし、食べたいものは食べれない。きっと体調のことで迷惑もかける。前みたいに吐いちゃったり。」


「・・・迷惑とかどうでもいい・・つうか。治るのか?ソレ?」


「治らないと思う。」


「じゃあ・・」



「あたし20歳までしか生きられないって言われてる。」



「・・・は?」




「もし奇跡的にドナーが見つかって、奇跡的に適合して、奇跡的に手術が成功して、奇跡的に予後がよければ・・・もしかしたら生きれるかもしれないけど。多分、現実的には無理。」



「でも可能性はあるんだろ?」



「ふふ・・・。どうだろう。」



あたしにはそれに耐えれる体力がないんだって。




「・・・でも。だから、ごめんね。・・・・付き合えない。」




断られるのが嫌だから、自分から言った。


もう、これでおしまい。




あたしたちの間には長い沈黙が流れて、


それはいつもより重たい空気だった。




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