【完】キミと生きた証
第2章:愛と夢
隣にいること
あたしたちはあの日からほとんど毎日、待合室で待ち合わせして、左端に座って、ゆっくり話をした。
1月が終わるころには、瞬との待ち合わせは当たり前になってた。
今日は駅でお母さんの向かえを待って帰る予定。
「これ、さんきゅ。」
「うん。読んでくれてありがと。」
瞬は心臓病のこと知りたいみたいで、わかりやすい本を貸してほしいっていうから、家にある中で一番シンプルな本を貸した。
あたしと同じ病気について、印刷した紙もはさんでおいた。
「わかりやすかった?」
「・・・少しずつわかってきた。」
「そっか。」
「大動脈弁置換術ってのは、したのか?」
「へ?」
「逆流するなら・・・それがいいんだろ?」
「ちょっとわかんない。手術はいっぱいしたんだけど、したのかな?」
「中隔欠損ってのは根治手術できたんだろ?」
「ちょっと何言ってるのかわかんない。ごめん、あたし昔から病気の名前とか手術の仕方とか冷静に聞けたことなくって・・・。」
「そうか。」
・・・なんか、ちょっと教えて、ってレベルじゃないような・・。
それにあたしが貸した本に手術のことなんか書いてないような・・・。
「他にも本読んだの?」
「・・・あぁ、市立図書館で借りた。図書館すげえぞ。めちゃくちゃ広い。」
「うん・・・知ってる。」
金髪は今日もきらきら輝いてて、制服の着こなしはなんかヤンキーで。
こんな瞬が図書館になんか今まで行く機会もなかったはずなのに・・・。
「ありがとう。」
調べてくれて、知ろうとしてくれて・・・。
にっと笑う瞬。
って、よく見たら、目の下にクマができてる・・・!
「無理しないで・・。あの、あたし頑張るから!」
「・・別に無理してねえよ。あ、迎え来た?」
「本当だ。」
「じゃ、行くか。ほら、荷物。」
あたしの荷物を持ち上げて、車まで運んでくれた。
「これくらい、大丈夫だよ!」
ほとんど学校に置いてきてるから、こんな鞄、ただの布のようなものなのに!
「・・・荷物持つの禁止。心臓に負荷がかかるんだって・・書いてた。だから俺が持つ。」
1月が終わるころには、瞬との待ち合わせは当たり前になってた。
今日は駅でお母さんの向かえを待って帰る予定。
「これ、さんきゅ。」
「うん。読んでくれてありがと。」
瞬は心臓病のこと知りたいみたいで、わかりやすい本を貸してほしいっていうから、家にある中で一番シンプルな本を貸した。
あたしと同じ病気について、印刷した紙もはさんでおいた。
「わかりやすかった?」
「・・・少しずつわかってきた。」
「そっか。」
「大動脈弁置換術ってのは、したのか?」
「へ?」
「逆流するなら・・・それがいいんだろ?」
「ちょっとわかんない。手術はいっぱいしたんだけど、したのかな?」
「中隔欠損ってのは根治手術できたんだろ?」
「ちょっと何言ってるのかわかんない。ごめん、あたし昔から病気の名前とか手術の仕方とか冷静に聞けたことなくって・・・。」
「そうか。」
・・・なんか、ちょっと教えて、ってレベルじゃないような・・。
それにあたしが貸した本に手術のことなんか書いてないような・・・。
「他にも本読んだの?」
「・・・あぁ、市立図書館で借りた。図書館すげえぞ。めちゃくちゃ広い。」
「うん・・・知ってる。」
金髪は今日もきらきら輝いてて、制服の着こなしはなんかヤンキーで。
こんな瞬が図書館になんか今まで行く機会もなかったはずなのに・・・。
「ありがとう。」
調べてくれて、知ろうとしてくれて・・・。
にっと笑う瞬。
って、よく見たら、目の下にクマができてる・・・!
「無理しないで・・。あの、あたし頑張るから!」
「・・別に無理してねえよ。あ、迎え来た?」
「本当だ。」
「じゃ、行くか。ほら、荷物。」
あたしの荷物を持ち上げて、車まで運んでくれた。
「これくらい、大丈夫だよ!」
ほとんど学校に置いてきてるから、こんな鞄、ただの布のようなものなのに!
「・・・荷物持つの禁止。心臓に負荷がかかるんだって・・書いてた。だから俺が持つ。」