【完】キミと生きた証
瞬はあたしの家から心臓についての本を一冊借りて、お母さんの車で帰った。


たどり着いた瞬の家は、かなり大きくて、さすが、の一言だった。



「お母さん、瞬ってすごく頭よかった。」


「何?勉強でもしてたの?」


「ううん、単語帳ぺらぺらめくってるなぁって思ったら、全部覚えちゃった。」


「それはすごいわね・・・さすが教授と歯医者さんの息子!」


「あたしなんかあの単語帳何十回もやってるのになぁ・・・。」


「ちーちゃんも成績いいじゃない。」


「大学・・・行けるかなぁ?」


「行けるよ。学資保険がついてるよ!」


「そうじゃなくて・・もう。あはっ」



今日くらい暗い話はやめておこう。


せっかく瞬と楽しい一日をすごせたんだから。



< 121 / 478 >

この作品をシェア

pagetop