【完】キミと生きた証
「おばさんには電話したのか?」
「あ、忘れてた。」
「・・・ったく。いいよ、俺がかけとくから、帰る支度しとけ。」
「ありがとう。」
「なんだ。お母さんとも知り合いなのね。」
「うん。瞬には何回も助けてもらってるからね。」
「へぇ、そう・・・♡」
真由ちゃん先生は電話してる瞬の背中をたのもしそーに眺めてた。
「あと10分くらいで着くって。ちょうどこっちの方にいるらしい。」
「ありがと。瞬もこっち座って。」
瞬は真由ちゃん先生のだしたスリッパを引きずるように歩いて、椅子に腰かけた。
「・・・駅と南高って近いけど・・・遠いっつーか、荷物持ってたらしんどくねえか?」
「荷物は軽くしてるから大丈夫だよ。教科書とか置き勉してる。」
「教科書・・・なにかといるだろ。進学校なんだから。」
「うーん、たしかにちょっと不便だけどね。」
「今度から俺が・・迎えに行く。ちぃの家の最寄駅からはいつも車だろ?」
「うん・・でも・・・。」
「そうしよ。迎えにくるから。」
真由ちゃん先生が胸を抑えて悶えてる。
「そうしてもらいなさい!ちーちゃん!もう、愛だわー♡」
「・・・ありがと。嬉しい・・・。」
あたしがはにかむと、瞬もほんのちょっぴり口角をあげた。