【完】キミと生きた証
放課後になってすぐ、ちぃのいる南高まで走った。


これからは一階の保健室で待っててくれるらしい。



侵入経路は保健室の窓。



他校生の俺をかくまってくれるのは、あの保健医くらいだ。



「びっくりしたあ・・・ノックしなさいよ。ちーちゃんはまだ来てないよ。もう、その恰好目立つからちゃんとした制服着なさい!」


「うるせぇな。これしかねえよ。」


「じゃあ髪の色をもどしなさい!うちの高校にはそんな頭の子いないんだから、ばれるでしょ。」


「うぃーす」


「返事はハイでしょ。っとにもう。こんなんでいいのかしら、ちーちゃん・・・。」



うるせえ・・・。


「・・・南高って、6限何時に終わんの。」


「あと15分後。」


「長えな。ちょっと図書館いってもいいか?」


「ダメにきまってるでしょ!その頭なんとかしてからにしなさい!」


「はいはい・・・。南高の校則って厳しすぎてうぜえな。」



よく考えてみれば、南高のやつらは黒髪ばっかりだ。


ちぃは地毛が茶色いみたいだけど、染めたことはないらしい。


「その腰のじゃらじゃらも外して髪の毛黒くすれば、廊下とか教室とか行ってもばれないかも・・・じゃなくて、ゴホン。だめです。他校生の勝手な侵入はダメです。」


「・・・今、勝手な侵入受け入れてんじゃん。」


「しっ!」



口に人差し指を当てて、まじめな顔で「静かに」の合図。



この進学校にもアホでいい奴がいてよかった。




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