【完】キミと生きた証
「おう・・・ちぃ。」


「いいよ。そんなこと、しなくて・・。」


「どーせ落ちるし無駄ってか?俺の脳みそナメんなよ。」


「違う・・そうじゃない。けど・・・。」


「俺な、地頭はいいと思うんだよ。ぜってー遺伝した。」


「お医者さんって24歳でなるんだよ・・。」



「知ってる。それに正式に医者になるのは26だろ。」


「・・・無駄なことしないで。」


「無駄じゃねえよ。ちぃ、帰るぞ。」




ちぃの荷物はいつもより教科書数冊分重かった。


「瞬がもしお医者さんになっても・・・あたし死ん」


「死なねえよ!」



ちぃが大声にびっくりして、大きな目をまんまるにしてる。




「・・・わり。」


「ううん。」


「確かに北工から医学部に行くなんて可能性は0パーセントだろうけど・・・。受かって見せる。絶対お前の将来に役にたつから。」



「・・・もう十分だよ・・・。一緒にいてくれるだけでいいから。お願い。」


「俺がしたいことは俺が決める。ちぃに人生左右されるほど、俺の芯は弱くねえよ。」



ちぃはなんか言いたそうに不安顔を浮かべてる。




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