【完】キミと生きた証
翌日は快晴。

でもやっぱり3月の風はすごく冷たい。


赤いマフラーに、ニット帽もかぶった。


不格好だけど、携帯酸素引きずって酸素のチューブ垂らしながら、お店に入った。


昔からよく行ってた、可愛い雑貨屋さん。


「まぁちーちゃん!久しぶりね。」


「こんにちはー」


お母さんと仲良しの店長さんに挨拶して、お店を回る。


物をひっかけて落とさないように気をつけながら、酸素の軽いローラーを引きずって歩く。



「店長さん、男の子の手袋ってありますか?」


「こっちよ。なぁに、ちーちゃんもしかして彼氏ができたの?」


「へへ、うん。」


「まぁまぁ!それなら、うんとかっこいいのにしないとね!」



ずらりと並ぶ手袋。

瞬はきっと黒とか白とかグレーが好きだよね。


色ものとか、つけないと思う。



じーっと眺めて、瞬を思い浮かべて。



黒とグレーの入った、シンプルな手袋にした。


これだけシンプルなら、多分してくれる・・・よね?






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