【完】キミと生きた証
瞬は手袋をして、あたしに見せてくれた。
子供みたいな笑顔。
・・・可愛い。
「さんきゅ。これから毎日使う。」
「ありがと。」
「バイクの時なんか軍手はめてたから・・・すげえ助かる。」
「あはっ・・軍手?」
気に入ってくれたのかな。
瞬は手袋はめたままだ。
「ちとせが元気になってさ、あったかくなったら・・・俺んち行こっか。」
「うん・・!ほんとは2月のテスト明けに行くはずだったのに、ゴメンね。」
「俺んちなんかいつでも来れるだろ。」
瞬は手袋の手であたしの手を握った。
・・・これって、いわゆる、恋人つなぎ。
嬉しい。
幸せだぁ・・・。
肩に寄り添った。
「俺んちの家の近くに公園があるんだけどさ・・・。花見、できるんだよ。桜がすげえの」
「へぇ・・・桜かぁ。あたし桜好き。」
「よかった。春になったら行こ。」
「楽しみ・・!」
すぐそばの春。
多分・・・生きてる・・・よね。
「何考えてんだよ?」
「へ?」
「大丈夫だから。」
力強い声。
あは・・。
あたしのこと、お見通しだ。