【完】キミと生きた証
夢中(Side瞬)
Side瞬
***
3月半ば過ぎ。
全国的には春?
まだこのド田舎に吹きさらすのは冷たい冬の風。
今日もちとせからもらった手袋をはめて学校に行った。
ちとせから貰った数Ⅰの問題集はほとんど解けるようになった。
「まった勉強かよ。来年から特進科ってのもわっかんねぇー。」
クラスのやつらは寄ってたかって、俺の邪魔ばかりしやがる。
「医学部目指すってマジなのかよ?」
「マジ。だから邪魔すんな。」
「瞬は頭いいけどさー。医学部ってこんなんばっかじゃねえの?」
近くにいる生徒のかけてたメガネをぶんどって、左手でくいっとあげてまじめのジェスチャー。
「くだんねぇ。返してやれ。」
「瞬が特進科行ったら乱入しようなー!」
「やめろ。」
このバカたちにバカにされる生活が終わるのは、じゃっっっかん、寂しい気もするけど。
単位のためだ。仕方ねえ。