【完】キミと生きた証
春休み
Side 霧沢ちとせ
***
「仁奈ちゃん、来年もクラス一緒がいいね」
「一緒にしてほしいなぁ・・。8クラスもあるから不安だよね。」
今日は終業式。
からっぽの鞄に携帯と筆記用具だけ入れて、あっけなく一日が終わっちゃった。
「クラス変わってもこのクラスでどっかいこうな!」
「新しくできたバイキング行こう!!」
「みんなB組LINE無視すんなよー!」
仲のいいクラスだったから、すっごく寂しい。
「クラス変わってもちーちゃんの頭撫でに行くからね。」
「お父さんは離れてもお父さんだぞ。」
ミキちゃんもタカハシくんも。
アイカちゃんも、タクくんも、みーんな。
「離れたくないなぁ・・・。でもまたみんなで遊ぼうね!」
「オッケー!ちゃんと仁奈が仕切る―!」
「仁奈子絶対忘れんなよ!」
教室からは徐々に人が減っていく。
あたしは仁奈ちゃんと並んで、4階のB組からみえる景色を眺めてた。