【完】キミと生きた証
「春休みになったら、瞬の家に行ってもいい?」


「勿論。迎えにいく。」


「ありがと。」


瞬の家、楽しみだなぁ。


平日だと、瞬の家族はいないのかな?


ひとりっこだっていってたけど、あの大きな家で3人暮らしなのかな?


だれかいたら、ちょっと緊張するなぁ。


でもちょっと、会ってみたいかも。



「瞬はご両親に医学部行きたいってこと言ったの?」


「勿論。学費のことがあるからな。」


「そっか。反対されなかった?」


「人生舐めんなとは言われたけど、すげえ喜んでた。浪人も2浪まで許すとかいいやがってさ・・・ぜってぇ一発で受かる。」



「あははっ。瞬なら大丈夫だよ。頭いいもん。」




そういえば、あたしなんかと付き合ってること、知ってるのかな。



言ってないよね。


言ったら反対されるに決まってるもん。



大切な一人息子に、こんな体の彼女なんて・・・。



「親父も会いたがってたけどさ。たぶん仕事だから会えねえわ。」


「え!?」


「ん?」


「ご両親にあたしのこと言ったの?」


「ちとせが家に来たいって言ってたから言ったよ、一応。病気のことも言っといたから変な心配すんな。」



「ご両親、なんて言ってた・・?反対されなかった?」



「なんでだよ。むしろ感謝してんぞ。大馬鹿不良息子を更正させたって。」




瞬のご両親・・・いい人すぎる。



・・・瞬をこんなにまっすぐに育てたんだもん。



きっと神様仏様のようなひとなんだ。



「だから、まぁ。なんも心配せずに来いよ。」




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