【完】キミと生きた証
かと思えば、突然


「・・・何年?」


なんて思いついたように質問が飛んでくる。



「1年生だよ。」



「ふぅん。タメか。」



「同い年なんだ。大人っぽいね。」



こぽこぽとヤカンは音を立てて、また沈黙が始まる。


待合室の隅と隅で、ぽつりとする会話は全然続かない。



読み始めた短編小説が一話分終わったころ、突然彼が口を開いた。




「・・・名前は?」



「霧沢ちとせ。」


「ちとせか。」



ちとせなんて誰も呼ばないから、変な感じ。



「ちーちゃんって呼ばれてるよ。」



「なら、ちぃか。」



「うん。」



今度は結構会話が続いた!



って思ったら、また沈黙・・・。





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