【完】キミと生きた証
そこに着いてみれば、客はカップルばかりで。




「ここに好きな人と来るの憧れてたんだぁ・・・。」



目をきらきらさせて、俺を見上げた。



「あー、そ。」



その顔は反則だ。


ついそっぽを向いたけど、余裕ないとこ見せたくねぇ・・・。


ちとせの方を向きなおしたら、くすっと笑われた。



「なんだよ。」


「ううん!あ、もう水芭蕉(ミズバショウ)が咲いてるって。行こー!」


「了解。つか、もっとゆっくり歩け。疲れるだろ。」


「はぁーい。」



にこにこ無邪気。



体調もいいんだろう、元気なちとせが隣にいることが嬉しかった。



17歳一日目、幸先いいじゃねえか。



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