【完】キミと生きた証
「…瞬が笑うとあたしまで嬉しい。」


「笑ってるだろ、いつも」


「だから、いつもはいいすぎだよ。あはっ」



・・・笑ってると思うんだけど。


たしかに、他のやつらよりは笑わねえかもしれない。



繋いだ手を離さないで、俺はちとせに笑いかける。


そうするとちとせは真っ赤なほっぺのまま笑う。



俺たちの傍を横切る人も、そんなちとせの幸せそうな顔をちらりと見てる。



・・・こいつは俺のだ。


誰にも見せねえ。



肩に手を回して近くに寄らせると



「わぁ・・。」


って声を漏らして、ちっさい手が俺の背中につかまった。




「瞬・・、恥ずかしいよ・・・。」



幸せそうな呟き。


真っ赤な顔して一生懸命伝えてくれたのわかってるけど。



・・・なんて返したらいいのかわかんねえ。



俺も顔が熱くて。



でも余裕あるフリしてたくて。



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