【完】キミと生きた証
ちとせを離すと、目が潤んでた。



「なん、どうした・・?気分悪い?大丈夫か!?」


「ちがう。ちがうよ。」



ちとせが潤んだ瞳を細めて笑った時、少しだけ涙が落ちた。




「・・・どうした?なんか・・嫌だったか?」



「逆だよ。すっっっごい幸せ・・・。」



俺も、ちとせと居れて幸せだ。


けどちとせの感じてる幸せと、俺の感じてる幸せは違う。



・・・泣くんじゃねえ。



こんなちいせえ幸せで泣くな。



お前は17歳になっても、20歳になっても、26歳になっても、80になっても。


こんな幸せくらい、いくらでも味わえるから・・・。



...幸せだと泣くちとせが悲しかった。



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