【完】キミと生きた証
「お前VIPか。」


その声にふりかえると、さっきの男の子がいた。



「あ・・え?」


「エレベーター。業者しか使っちゃダメだって、さっき先生に言われたけど。」


「あー、うん。」


なんて答えたらいいのかわかんないし、とりあえずエレベーターの下ボタンを押して待機。



「お前名前なんていうの?」


・・・もしかして先生に言うとか?


いいんだけどね。許可もらってるし・・。



「霧沢ちとせだよ。」


「ちとせか。」



エレベーターの扉が開いて、中に入った。



「ちとせ、2-Bなのか?」


「うん。」


「覚えた。」


にっと笑う顔が女の子みたいに可愛い。



先生に言いつけても問題ないもん。


あたしは毎年許可とってるし、むしろ業者っていうより、障害者用マークついてるんだけどな・・・。


きっと秩序に厳しい真面目な子なのかなぁ。


でも見た目は天使系男子。なんて失礼?


ふわふわの容姿が天使みたい。


男の子にしとくの勿体ないくらい。


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