【完】キミと生きた証
「あと、20分か。ちとせ調子はどうだ?行けそう?」


「もちろん!」



手を繋ごうとしたら、駅に人が入ってきた。


離れた手と手。


ざんねん。


「あ、天使君だ。」


なんで戻ってきたんだろ。


天使君は待合室に入ってきたと思えば、なぜか瞬を凝視してる。



・・っていうよりがんとばしてない?



「・・・あ?」


って、瞬、睨まないであげて。



「ちとせの彼氏っすか?」


「・・・そうだけど。」


「へぇ。なんだ。・・・彼氏いんのか。」



天使君が右端に座ると携帯をいじり始めた。



瞬が心なしか不機嫌そう。



「・・・ちとせ。ホームのベンチに座って待とうぜ。」


瞬があたしの手を握って、あたしたちは待合室を出た。




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