【完】キミと生きた証
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検査結果はよくはなかったけど、長期入院まで至らなかった。
でもしばらくは電車通学禁止だって。
そしたら瞬と喋れるのは、保健室だけ、かな。
退院して7月になった。
夏服のセーラー服があたしは一番好き。
だから夏はあんまり休みたくないなぁ。
「ちとせいますかー?」
休み時間になったら、天使くんが教室に来た。
「まったあいつかよ。」
「あの子ちーちゃんがいない間、ほとんど毎日来てたよ。ストーカー?」
「ちがうちがう!前倒れた時傍にいたから、心配してくれたんだと思う。」
「え!!そうなのか!」
「仁奈たち門前払いしちゃってたよ!」
天使君のところまで歩くと、天使君がにこにこ笑ってる。
「元気そうじゃん。」
「うん。あの日はありがとうね、駅員さん呼んでくれて。」
廊下にでると、風が入って気持ちいい。
「それに毎日、安否確認かな?教室に来てくれてたんでしょ?」
「まぁ。だってずっと休むからさ。」
「ありがとう。」
手を伸ばして、窓をもう少し開ける。
「風、涼しいね。」
って天使くんの方を見たら黙ってこっちを見てる。
「どうしたの?」
その答えを、天使君が大声で言った。
「ちとせの彼氏になりたいんだけど!」
廊下からでもわかるくらい、教室がざわめいた。
「・・・あ、ごめん、あたし彼氏がいるの。」
「知ってる。けど、俺もちとせのこと好き。」
「えーっと、ごめん。」
「考えといて!」
そう言って走っていった。
「ちょっと待って!」
考えるも何も、返事したじゃん!
角を曲がると、天使くんは見えなくなって、
だいたい、あたし彼の名前もしらないのに・・・。
教室に戻ったら、わっと盛り上がった。
「今の告白だよね!?ちーちゃん!?」
「どうすんのー?彼氏に言うの?」
みんななんかテンションが高い・・・。
「ちょっとー仁奈のちーちゃんいじめないでよぉ。」
仁奈ちゃんがあたしを後ろから抱きしめて、頭の上に顎を乗せた。
「ちーちゃん、返事したの?」
「勿論、断ったよ。でも・・考えといてって言われた。聞いてないよね」
「あの1年生、名前なんていうの?」
「わかんない。」
「「「えー!!」」」
退院後の一日目はそんな日だった。