【完】キミと生きた証
あまーいいちご飴。


舐めても舐めても減らない不思議・・・。


美味しいんだけど、これ以上舐めて大丈夫かなぁ。



「食えなかったら飴はがせよ。」


「はがせるの?」


「うん。」


「じゃあはがそうかな・・。」


「貸して。」



瞬はいちご飴を口元に近づけると、犬歯でがりっと噛んで、割ってはがした。



・・・なにそれ、なにそれー!


・・・かっこいいー・・・。


って、変なとこでときめいた、あたし!



「ん。」



差し出されたときには、ただのいちごになってた。



「あ、ありがとう・・・」


櫛に刺さったいちごは甘ずっぱくて。


「おいしーっ。」


「そっか。よかった。」


「瞬もいる?」


「じゃ、ちょっと。」



あたしの握るいちご飴。


その手の上から瞬の手がかぶさって、



揺れた髪からシャンプーの匂い。



目の前に瞬の口元。



少しかじって、あたしから離れた。



・・・ドキドキするじゃん・・・。



あたしは瞬を見上げるけど、瞬は遠い空を見つめてて。


「・・・うま。」


ってぽつりとつぶやくだけ。



・・・もう、かっこいいんだもん・・・。


どきどきするんだもん・・・!!


「・・どうした?」



最近の瞬は、以前より流暢に喋ってて。


「・・・なんでもないよ。」



あたしは相変わらずドキドキさせられてる。







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