【完】キミと生きた証
順番が来て、着やすいからって理由で仁奈ちゃんはピンクのナース服を着て、聴診器を首に下げてる。


あたしは仁奈ちゃんに半ば強引に勧められて、ちびっこポリスになった。



「ちーちゃん仁奈ちゃんかわいいー!!」


「しばらくそれでいろよ!」


みんなおもしろがってるのかな。


褒めてくれる。


「やぁやぁ、ありがとー!ありがとー!」


仁奈ちゃんがふざけて、各方向に頭を下げてお礼を言う。



「写真1枚100円ね。」


「たか!いい商売してるね!2-E!」


「妥当じゃないの?」


「ちーちゃん、騙されちゃダメ!」


でも買っちゃうあたし。




一方仁奈ちゃんは、E組の友達と、こそこそ何かを話してる。



「この写真売れたら、還元するからさ。」


「・・・いくら」


「ほんとは1割還元だけど2割でいいよ。」


「少ない。7割。」


「は?無理。」


「100歩譲って5割ね。」



「ちぇ・・まぁいいよ。仁奈もあの子も可愛いし多分よく売れる。」




写真を受け取ると、ピンクのナースさんとちびっこポリスが指定されたポージングで立って居て。


「あはっおかしいー。へんなポーズ。」


「でもちーちゃんモデルみたい。超可愛い。」



モデルっていうより・・・なんか子供のハロウィンパーティみたいだなぁ。



「そういえば仁奈ちゃんさっき、E組の子となんの話してたの?」


「あぁ、あの写真売られるから、その手数料を聞いてたの。」


「売られる?ふぅん?」


売られるんだ。


何を?


「あの写真を!?」


「うん。普通1割還元らしいけど、5割って交渉しといたから!要するに、1枚売れたらあたしたちに50円入る。普通は1枚10円だけどね。」


「えぇ!?」


だからあんなに人が並んでたの?


お金儲け!?


「でも、そんなにもうからなくない?」


「うん。だから5割にしてもらったの。」


「へぇ・・・。」


「ドアインザフェイスって言ってさ・・へへっ」



わけのわからない英語を呟く。


仁奈ちゃんの笑みが怖い!



っていうより、あんな変なポーズの写真、恥ずかしい!


行かなきゃよかった・・・。


いや、でも


こんな写真とれる機会はまずないし・・。


いっか。



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