【完】キミと生きた証
「ちとせ、具合悪いか?」


「ううん、今日は寒いから顔色わるいのかも。」


「大丈夫かよ。・・・あ。そうだ。」




瞬が腰をかがめて、あたしの耳元でささやいた。


「あとで一緒にまわりたいんだけど。」って小さな低い声。



「あ・・うん//あとでメールする・・・。」



あたしはほっぺを手でおさえながら、回れ右。



・・・だって、イキナリ、ちかいんだもん。



「おかえりーってあれ?ちーちゃん真っ赤だぁ♡」



あたしは仁菜ちゃんの隣に腰をかけてから、勢いよく両手を合わせた。


「あとで瞬と・・ちょっとだけ回ってきてもいい?」



「そのつもりだったよ?仁菜、中学の友達と合流する約束しといた。」



「・・・ありがとー・・・。」



思わずぎゅっと抱きしめちゃった。


「よしよし、可愛いのぅ♡」



仁菜ちゃんの手がポンと頭を撫でる。



「お、瞬ちゃん、ジェラシーですかー?」


「俺の女に手ぇだすなぁってか!」


「・・お前らくっそうぜえぞ。ほら、金。払え。」



気付けば瞬たちの番がきてた。



「いってらっしゃい!」


「瞬くん、たのむから備品壊さないように見張っといてね・・・。」


仁菜ちゃんの忠告に瞬が友達をじろりと見てため息ひとつ。


「わりぃな。無理かも。」



「ならダメ!侵入禁止―!」


「嘘だよ。バーカ。」



がらりと扉を開けて真っ暗なお化け屋敷へと消えて行った。





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