【完】キミと生きた証
それから2日後。

あたしは安定してきて、ベッドに角度をつけて寄りかかりながら、お母さんと話してた。




「お母さん、あたしってあの日・・心臓止まった?」



「・・・。止まってないよ。大丈夫。」



なんだろう・・・不自然な沈黙。



「・・・止まったの?」


「止まったって言っても少しだけだよ。急激に除脈になったから・・。」


「・・・そっか。初めてだよね、止まるの。」


「うん、でもお父さんなんか中学生の時も高校生の時も止まったけど大丈夫だったよ。大丈夫。手術もうまくいったしね。」



「・・・ごめんね、心配ばっかり。」


「何言ってんの。」




・・・怖かったでしょ。お母さん。


好きな人や娘の心臓が止まるなんて、どんな気持ちだろう。



だから・・・お母さんの前では泣いちゃだめだよね。




「お母さん・・・お茶・・買ってきてほしいな。」


「いいよ。なんのお茶がいい?」


「・・・ほうじ茶。あったかいの。」



お母さんがでていくと、入れ違いで瞬が入ってきた。



あたしの目にはもう目一杯涙がたまってて、


瞬がこっちを見るより早く流れ落ちた。






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