【完】キミと生きた証
面会時間はとうに過ぎてた夜、目が覚めた。


「あ、起きた?」


「うん。」


部屋にはお母さんが居た。


棚の上には、瞬が持ってきてくれたお花が生けてあって、その隣にほうじ茶が置いてある。


「お花とほうじ茶ありがとう。」


「うん。お茶飲む?」


「飲みたい。」


電気をぱちんとつけると、明かりの下、お母さんの目が腫れてた。


「どうしたの・・?」


「なんでもないよ。」


「・・・そ。」


すっかり常温になったほうじ茶はおいしかった。



ふと枕元に目をやると、紙切れに瞬の文字が書かれてる。



・・・あ、お手紙だ。



===

眠り姫
また明日
オダイジニ

===



・・・やっぱりお大事にだけ、カタカナなんだ・・。



くすっと笑うと、お母さんがあたしの髪を撫でた。



「瞬くんね、ちーちゃんが倒れた日、手術室の前でずーっと待っててくれたのよ。聞いた?」


「聞いてない。」


「そっか。お礼いっとかないとね。」



ぱちんと電気を消されて、またあたしは眠りに落ちた。





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