【完】キミと生きた証


「ちとせは・・・移植以外に方法はないんですか?」


「新しい医療技術もあるみたいだけど…そういう手術の方がリスクは高いみたい。」


「そうなんですか・・。」



ドナーがそう簡単にみつかるものじゃないことは知ってる。




ちとせの小さい身体に合った、ちとせの血液型と同じ、「生きてる心臓」を手にいれるんだから・・・。



「・・現れるといい、ですね。」




俺の言葉に、ちとせのお母さんは切なそうにほほ笑むだけだ。




わかってるよ。


ドナーが現れたって・・・うまくいくかどうかわかんねえことくらい。




ちとせのあったかい手のひらをぎゅっと握った。



あと10分で面会時間は終わる。


急いで紙切れに今日も文字を残した。




===

ねぼすけ
また明日。
オダイジニ

===


また明日が目立って


余計なこと考えると困るから。


オダイジニを目立たせる。



じゃあ・・・また明日な。





< 263 / 478 >

この作品をシェア

pagetop