【完】キミと生きた証
「瞬、目、閉じて?」
「ん?」
俺が目をぎゅっと瞑ると、両手を引っ張られた。
何かが手のひらに載って、
「まだ開けちゃだめ・・。」
って言われて、目を強く閉じ直す。
「・・・目、開けて?誕生日・・・おめでとう。」
目を開いたら、プレゼントが両手の上にあった。
白い包装に青いリボンが巻かれてる。
・・・そっか、今日、誕生日だっけ。
「まじで・・・?うれし・・・。ありがとう。」
わくわくしながら包みをあけると、グレーに黒のラインが入ったマフラーが入ってた。
「え・・?これって・・・まさか手作り?」
「そう・・ちょっと1か所・・ぽつんってなってるけど」
「まじで嬉しい・・・。どうしよ。」
喋るのだってしんどいんだ。
絶対大変だったはずだ。
それなのに・・・。
まじで嬉しい・・。
「大事にするから!」
俺が声を張って言うと、嬉しそうに笑った。
「・・巻いてみて?」
「うん。」
ぐるりと巻くと、すげえ暖かい。
・・これって手袋と同じ模様だ。
「よかったぁ・・・すっごく、似合う。」
「ありがと。まじで。」
ぎゅっと抱きしめると、あったかくて小さな体が俺の体に包まれる。
「喜んでもらえて・・・嬉しい。」
俺の腕にこもった幸せそうな声が
今もまだ聞こえるみたいだ。