【完】キミと生きた証
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もうすぐ12月も半ばになる。
ちとせはぼんやりと窓の外を眺めることが多くなってきた。
空っぽな心に、何を注いでやろう。
俺は毎日、ちとせに話を持ち帰った。
学校がどうだったとか、天気がどうだとか。
ちとせはにこにこと話を聞いてくれるけど、
心はきっと、空っぽのままだ。
俺はちとせの主治医のところへ行った。
「ちとせ・・・外泊ってできないですか。」
「今は無理だよ。いつ発作がおきるかわからないからね。」
「でも・・・このまま病院にいたら・・・心が、やられる。」
「日帰りなら、検査結果次第ではなんとかなるかもしれないけど・・。」
「それでもいいです。12月24日、お願いします。」
俺は深々と頭を下げるけど
「検査結果次第だね。」
医者は簡単な言葉残して仕事に戻っていった。
・・・俺はぜってーあんな医者になんねえぞ。