【完】キミと生きた証


***

もうすぐ12月も半ばになる。


ちとせはぼんやりと窓の外を眺めることが多くなってきた。



空っぽな心に、何を注いでやろう。



俺は毎日、ちとせに話を持ち帰った。


学校がどうだったとか、天気がどうだとか。



ちとせはにこにこと話を聞いてくれるけど、


心はきっと、空っぽのままだ。



俺はちとせの主治医のところへ行った。



「ちとせ・・・外泊ってできないですか。」


「今は無理だよ。いつ発作がおきるかわからないからね。」



「でも・・・このまま病院にいたら・・・心が、やられる。」



「日帰りなら、検査結果次第ではなんとかなるかもしれないけど・・。」



「それでもいいです。12月24日、お願いします。」



俺は深々と頭を下げるけど



「検査結果次第だね。」



医者は簡単な言葉残して仕事に戻っていった。




・・・俺はぜってーあんな医者になんねえぞ。





< 279 / 478 >

この作品をシェア

pagetop