【完】キミと生きた証
「・・・そんなうまい?」


「うん・・。」



涙でにじみかけた、紙コップを、きらきらの電飾を目に焼き付けて


あたしの右手は瞬の腕をぎゅっと掴んでた。


その手には指輪が輝いてる。



・・・・幸せすぎると切ない。




もっと生きたいって思っちゃうから。




「クリスマスだから、今日だけ特別な。俺は勉強しねえし、ちとせもシャンパン飲んでいい。」


「今日だけ?」


簡単な質問に瞬はなかなか答えない。



大きな綺麗な瞳をみつめていると、


瞬があたしを抱きしめた。



クリスマスツリーを囲むひとたちから外れた端っこで、あたしは瞬に抱きしめられてる。


去年と同じビンゴの声、周りから楽しそうな声がする。



その幸せから弾き飛ばされるように、端っこで、あたしは瞬の体を抱きしめた。



「・・・・諦めんな・・頼むから。」



かすれかけた小さな声が耳元で聞こえた。



「・・・瞬には、覚悟きめてほしい・・。じゃないと、離れたとき・・つらいよ。」



・・・お互いの願いは相反してる。






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