【完】キミと生きた証
「ちーちゃんが学校に戻ったら、2-Bにも来れるんだよね?」


「うん。来年また2年生だけど、それまでは行ってもいいみたい。」


「そっかぁ。」


にこにこ穏やかに話していたら、瞬の鋭い声が入ってきた。



「つーか、あいつも同じ学年になるってことか?ほら・・・あの、名前知らねえけど一年のむかつくガキ。」



1年・・・あぁ。

あたしも名前知らないけど。


「もしかして天使くん?」


「そう、そいつ。」



「あの子ねー今もたまーにうちのクラス来るよ。留年ってこと言ったら心なしか喜んで見えた。」


仁奈ちゃんがそう言うと、瞬が舌打ちした。



「・・まぁいいけど。俺、放課後毎日行くし。」


「おっとこまえー!でもあの子瞬くんのこと”ちゃらいヤンキー”って言ってるよ。」


仁奈ちゃんの言葉をきいて、瞬が鼻で笑った。



「ちとせは俺のだっていっとけ。・・あと、近づいたら許さねえってこと、バカでもわかりやすく伝えといて。」



仁奈ちゃんが頷いた。



そんな言葉に、真っ赤になって俯くあたし。


・・ってよく見たら仁奈ちゃんまで赤くなってる。


っておもったら、瞬まで照れ始めた?赤い。



気まずい沈黙が始まる前に・・・


「あ・・・あの・・。早くよくなって、学校行くね!」


「うん!そうだよ!こんなんでも彼氏だもん、心配させすぎちゃだめだよ!」


「こんなんってどんなだよ。」


「なんていうの?瞬くんって、何か起きてもあんまり動じなそう。でも一応心配かけないようにさ!」



全員がしどろもどろになりながら、言葉を交わしてく。



病室は明るくて、全然寂しくない。


あたしは独りじゃない。




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