【完】キミと生きた証
「へいへい、仲がいいこって。俺、一旦でてこうか?」


「うっわ、そんな気遣いいらないんだけど。」


仁菜ちゃんがそういったのに、瞬は片手をひらひら振って、病室から出てっちゃった。


「瞬くん優しいね。なんかほんと・・瞬くんでよかったよ。」



仁菜ちゃんがあたしの頭をポンポンと撫でる。



あたしはそんな仁菜ちゃんの言葉が嬉しくてたまらない。




「最近・・学校どう?」



「みんなちーちゃんに会いたがってるよ。メールきてるでしょ?」



「うん。でも、あんまり返せてないかも。」



「いいよ、調子いい時で。ていうか仁菜がみんなにちーちゃん元気だったよってちゃんと言っとくね!」



「ありがとぉ・・。」




瞬も優しいけど、仁菜ちゃんもすっごく優しいよ。



「そうだ!見てみて!これ!」



仁菜ちゃんが見せるのは、携帯の待ち受け画面。



大きな画面いっぱいに、文化祭の日のコスプレしたあたしたちの写真がはられてた。



「えぇー!こんなの人にみられたらはずかしくない?」



「ちーちゃんと一緒だからへーき!旅は道連れってやつ!」



「あはっ。ひどーい!」



でも、その写真の中では、あたしたちが楽しそうに笑ってて。




「・・・早く戻りたいなぁ」


そう呟いたら



「戻っておいで!ちーちゃんをこんなとこでひとりぼっちにさせてるのヤダもん。」



って、仁菜ちゃん、大好き。



留年はしちゃうけど・・・3学期は少しでも学校に行きたいな。



仁菜ちゃんやみんなといれる時間、少しでも多いといいな。





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