【完】キミと生きた証
お昼休みにお弁当箱を開いて、仁奈ちゃんと久しぶりのランチタイム。
「えぇ?北工生と知り合ったの?」
「知り合った、っていうか。ちょっと喋ったの。」
「すごいなぁ・・・あの廃れた駅にそんな出会いが待ち受けてるなんて・・・。」
仁奈ちゃんに武石くんとの出会いや、具合悪くなったときにお世話になった話をしたら、仁奈ちゃんの目がどんどんキラキラしてきた。
「具合悪いちーちゃんに、寒い中、学ランかけてくれたの?金髪が?」
「うん。金髪だし怖そうだけど、多分優しい人なんだと思う。」
「きゃー!!それ、どうなの!?ちーちゃん!!」
「どうって?」
あたしが首をかしげると、仁奈ちゃんは間髪入れずに叫んだ。
「恋しちゃったのー!?」
その声に教室がざわめいた。
「ちーちゃんが恋!?」
「まじかよ!どこの誰だよ!?」
「おねえさんたちが協力するから、なんでも言って!!」
みんなの視線が集まってきた。
「え・・・えっと・・・。」
あまりの勢いにたじろぐあたし。
仁奈ちゃんが両手を合わせてゴメン!!ってジェスチャー。
「うーん、北工業の人なんだけど、スキとかじゃないと思う。」
っていうより。
「恋って・・・・何?」
あ、あれ、変なこといったかな?
教室が一瞬静まったと思えば
「「「かっわいー!!!」」」
もう騒がしい教室へと早変わり。