【完】キミと生きた証
こんな風に瞬が来てくれて、調子のいい日もあれば、
「・・うぅ。・・っうぇ。」
ずっと吐いてる日だってあった。
「大丈夫、大丈夫だから。ゆっくり、息吸えるか?」
瞬はそんなあたしの背をさすって、ずっと傍にいてくれる。
そんな三月もおわりかけの頃。
あたしは南高校を辞めて、通信の高校に編入することになった。
瞬はやっぱり納得いかなそうな顔してる。
「もともと、通えなくなったら通信にするっていう約束だったんだよ。1級くらい重い障害の子を入れてくれる学校って、ここしかなかったし、今まで行けただけで十分だよ。」
「そっか・・。」
「でも・・・やっぱりちょっと・・寂しいかも。」
朝学校に行けば、笑顔で迎え入れてくれるみんな。仁奈ちゃんはすぐにあたしのもとに駆け寄ってくれる日々。
1-Bの教室で、あたしのために泣いてくれた仁奈ちゃん。
あたしを運んでくれたエレベーター。
みんなで作ったお化け屋敷。
大好きな真由ちゃん先生・・・。
保健室であたしを待つ、大好きな背中。
あたしの大好きな、小さな世界。
・・・もう行けない。
思い出すと、心がぎゅっと苦しくなる。